親が亡くなって受け取った生命保険金や、勤務先から支払われた死亡退職金は、亡くなった人が生前に持っていた財産ではありません。それでも相続税の対象になります。これは、これらが実質的には相続で得たのと同じ経済的効果を持つため、相続税法が「みなし相続財産」として課税対象に取り込んでいるからです。一方で、遺族の生活保障という役割があるため、一定額までは相続税をかけない「非課税枠」が設けられています。
この記事では、生命保険金・死亡退職金の非課税枠について、相続税法3条・12条・15条、国税庁タックスアンサーNo.4114・No.4117・No.4120などをもとに、非課税限度額(500万円×法定相続人の数)の計算、複数の相続人で受け取る場合の按分、相続放棄した人や相続人以外が受け取った場合の落とし穴、死亡退職金の「死亡後3年以内」要件、弔慰金の非課税範囲、契約形態による税目の違い、申告手続まで、実務目線で深掘りして解説します。相続税の全体像や基礎控除をまず押さえたい方は、相続税の基礎控除とは(3,000万円+600万円×法定相続人)もあわせてご覧ください。
- 生命保険金・死亡退職金は「みなし相続財産」として相続税の対象(相続税法3条)
- それぞれに非課税枠があり、限度額はどちらも「500万円×法定相続人の数」(相続税法12条)
- 生命保険金と死亡退職金の非課税枠は、別々に計算できる
- 非課税枠が使えるのは「相続人」が受け取った場合だけ。相続放棄した人や相続人以外(孫など)が受け取った分には適用されない
- 法定相続人の数は、相続放棄をした人も「放棄がなかったもの」として数える(相続税法15条2項)
- 死亡退職金は「死亡後3年以内に支給が確定したもの」が相続税の対象。3年超は受取人の一時所得(所得税)
- なぜ「みなし相続財産」で、なぜ非課税枠があるのか
- 生命保険金の非課税枠(相続税法12条1項5号)
- 死亡退職金の非課税枠(相続税法12条1項6号)
- 弔慰金はどこまで非課税か(相基通3-18〜3-23)
- 「法定相続人の数」の数え方(相続税法15条2項)
- 混同しやすい制度との違い
- 申告と手続
- 実務上の落とし穴
- 判断フロー
- 想定Q&A集
- Q1. 生命保険金には必ず相続税がかかりますか
- Q2. 生命保険金と死亡退職金の非課税枠は合算されますか
- Q3. 相続放棄をすると、非課税枠の「人数」は減りますか
- Q4. 孫を保険金の受取人にしました。非課税枠は使えますか
- Q5. 相続人が3人ですが、保険金を受け取ったのは配偶者1人だけです。非課税枠はいくらですか
- Q6. 養子が3人いる場合、非課税枠の人数は何人で数えますか
- Q7. 死亡退職金が死亡から4年後に確定しました。相続税ですか
- Q8. 弔慰金を受け取りました。相続税はかかりますか
- Q9. 受け取った保険金が非課税枠の範囲内なら、申告は不要ですか
- Q10. 現金で持っておくより、生命保険にした方が有利ですか
- まとめ
なぜ「みなし相続財産」で、なぜ非課税枠があるのか
生命保険金は、受取人が保険会社との契約に基づいて受け取る「受取人固有の財産」であり、民法上は被相続人の遺産(相続財産)ではありません。死亡退職金も、勤務先の規程などに基づいて遺族が受け取るもので、被相続人が生前に持っていた財産ではありません。しかし、いずれも被相続人の死亡を原因として遺族にお金が移る点で、相続で財産を取得したのと経済的には同じ効果があります。
そこで相続税法3条は、これらを「相続または遺贈により取得したものとみなす」として、相続税の課税対象に取り込みます。これがみなし相続財産です。ただし、生命保険金や死亡退職金は遺族のその後の生活を支える性格が強いため、相続税法12条が一定額までを非課税としています。非課税限度額は、生命保険金・死亡退職金のいずれも「500万円×法定相続人の数」で計算し、両者は別々の枠として適用されます。
生命保険金の非課税枠(相続税法12条1項5号)
まず「そもそも相続税がかかるか」を契約形態で判定する
死亡保険金は、必ず相続税がかかるわけではありません。誰が保険料を負担していたか(保険料負担者)・誰にかけた保険か(被保険者)・誰が受け取るか(受取人)の組み合わせによって、相続税・所得税・贈与税のいずれになるかが変わります。非課税枠(500万円×法定相続人の数)が使えるのは、相続税がかかる形態のときだけです。
| 保険料負担者 | 被保険者 | 受取人 | 課税される税目 |
|---|---|---|---|
| 被相続人 | 被相続人 | 相続人 | 相続税(非課税枠あり) |
| 受取人本人 | 被相続人 | その本人 | 所得税(一時所得) |
| 第三者A | 被相続人 | B | 贈与税 |
相続税の非課税枠を検討するのは、いちばん上のケース(保険料を被相続人が負担し、受取人が相続人)です。以下はこの前提で解説します(国税庁タックスアンサーNo.4114・No.1750・No.4417)。
非課税限度額は「500万円×法定相続人の数」
相続人が受け取った死亡保険金は、全員の受取額を合計し、その合計額が非課税限度額を超えた部分だけが相続税の課税対象になります。
たとえば法定相続人が配偶者・子2人の合計3人であれば、非課税限度額は1,500万円(500万円×3人)です。相続人が受け取った保険金の合計が1,500万円以下なら、その保険金には相続税はかかりません。なお、この非課税枠は基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)とは別枠です。
非課税枠が使えるのは「相続人」だけ
非課税枠は、受取人が相続人である場合にだけ適用されます。相続を放棄した人や相続権を失った人、そもそも相続人ではない人(たとえば代襲相続人でない孫、兄弟姉妹、内縁の配偶者など)が受け取った保険金には、非課税枠は一切適用されず、受け取った全額がみなし相続財産として課税対象になります(No.4114)。この点は後述の落とし穴で改めて取り上げます。
複数人で受け取る場合は「按分」する
相続人が複数いて、それぞれ保険金を受け取った場合、非課税限度額は各相続人の受取額に応じて按分します。各相続人の非課税金額は、次の式で計算します。
具体例で確認します。法定相続人は配偶者・子2人の3人(非課税限度額1,500万円)。配偶者が1,500万円、子Aが1,000万円を受け取り、子Bは受け取っていないとします。相続人全員の受取合計は2,500万円で、非課税限度額1,500万円を1,000万円超えています。
| 相続人 | 受取額 | 非課税額 | 課税対象額 |
|---|---|---|---|
| 配偶者 | 1,500万円 | 1,500×1,500÷2,500=900万円 | 600万円 |
| 子A | 1,000万円 | 1,500×1,000÷2,500=600万円 | 400万円 |
| 子B | 0円 | 0円 | 0円 |
配偶者の課税対象額600万円、子Aの課税対象額400万円が、他の相続財産と合算されて相続税の計算に取り込まれます。合計1,000万円は、受取合計2,500万円と非課税限度額1,500万円の差額と一致します。
死亡退職金の非課税枠(相続税法12条1項6号)
相続税の対象は「死亡後3年以内に支給が確定したもの」
死亡退職金(退職手当金・功労金など、名目を問わず実質的に被相続人の退職手当金等として支給される金品。現物支給を含む)は、被相続人の死亡後3年以内に支給が確定したものが、みなし相続財産として相続税の対象になります。3年を超えて支給が確定したものは、相続税ではなく受け取った遺族の一時所得として所得税の対象になります(No.4117)。
| 支給の確定時期 | 課税関係 |
|---|---|
| 死亡後3年以内に確定 | 相続税(みなし相続財産)。500万円×法定相続人の数の非課税枠あり |
| 死亡後3年を超えて確定 | 受取人の一時所得(所得税)。相続税の非課税枠は使えない |
実務上は、勤務先が死亡後すみやかに退職金の支給を確定させるのが通常なので、ほとんどのケースは「3年以内に確定」に該当し、相続税の対象になります。
非課税枠は生命保険金とは「別枠」
死亡退職金の非課税限度額も「500万円×法定相続人の数」で計算します。重要なのは、これが生命保険金の非課税枠とは完全に別の枠であることです。法定相続人が3人であれば、生命保険金で1,500万円、死亡退職金で1,500万円、合計3,000万円までを非課税にできます。適用対象が相続人に限られる点、相続人以外や相続放棄者が受け取った分には適用されない点、複数人で受け取る場合の按分の考え方は、生命保険金とまったく同じです。
弔慰金はどこまで非課税か(相基通3-18〜3-23)
勤務先から遺族へ支払われる弔慰金・花輪代・葬祭料などは、通常は相続税の対象になりません。ただし、弔慰金の名目であっても、実質的に退職手当金等に該当すると認められる部分は相続税の対象です。さらに、それ以外の純粋な弔慰金についても、次の金額を超える部分は退職手当金等として扱われ、死亡退職金の非課税枠の計算に取り込まれます(No.4120)。
| 死亡の区分 | 弔慰金として非課税になる範囲 |
|---|---|
| 業務上の死亡 | 死亡当時の普通給与の3年分に相当する額まで |
| 業務外の死亡 | 死亡当時の普通給与の半年分に相当する額まで |
ここでいう普通給与とは、俸給・給料・賃金・扶養手当・勤務地手当などの合計をいい、賞与は含みません。単なる基本給ではなく、各種手当を含んだ月々の給与に近い概念です。たとえば、業務外の死亡で死亡当時の普通給与が月50万円、弔慰金として400万円が支払われた場合、非課税になる弔慰金は50万円×6か月=300万円までで、超える100万円は退職手当金等として、死亡退職金の非課税枠(500万円×法定相続人の数)の計算に含めます。
「法定相続人の数」の数え方(相続税法15条2項)
非課税枠の計算に使う「法定相続人の数」は、民法の相続人をベースにしつつ、相続税法独自のルールで調整します。生命保険金・死亡退職金の非課税枠だけでなく、基礎控除の計算でも同じ「法定相続人の数」を使います。
| 調整項目 | 数え方 |
|---|---|
| 相続放棄 | 放棄がなかったものとして数える。放棄した人も人数には含める |
| 養子(実子あり) | 法定相続人の数に含められる養子は1人まで |
| 養子(実子なし) | 法定相続人の数に含められる養子は2人まで |
混同しやすい制度との違い
「500万円×法定相続人の数」「3,000万円+600万円×法定相続人の数」など、似た算式が複数あるため混同しやすい制度を整理します。いずれも独立した別枠で、重複して差し引けます。
| 制度 | 算式 | 位置づけ |
|---|---|---|
| 生命保険金の非課税枠 | 500万円×法定相続人の数 | 保険金だけに使う |
| 死亡退職金の非課税枠 | 500万円×法定相続人の数 | 退職金だけに使う(保険金と別枠) |
| 基礎控除 | 3,000万円+600万円×法定相続人の数 | 相続財産の総額から差し引く |
結論を言い切ると、生命保険金・死亡退職金の非課税枠は「各財産の課税価格を圧縮する枠」、基礎控除は「圧縮後の相続財産の合計からさらに差し引く枠」で、適用の段階も対象も異なります。両者は競合せず、順番に適用されます。非課税枠を使いきってなお課税価格が残り、それらの合計が基礎控除以下であれば、相続税はかかりません。相続財産の評価つながりでは、マンション相続税評価の新ルールもあわせて確認しておくとよいでしょう。
申告と手続
相続税の申告が必要かどうかは、生命保険金・死亡退職金の非課税枠を差し引いた後の課税価格の合計が、基礎控除を超えるかどうかで判定します。基礎控除以下なら申告は不要です。申告が必要な場合、生命保険金・死亡退職金は所定の明細書に記載します。
| 場面 | 確認する客観資料 |
|---|---|
| 保険金の課税判定 | 保険証券、保険料の口座振替履歴、保険料控除証明書、支払明細書(保険料負担者・受取人の確認) |
| 退職金・弔慰金の判定 | 勤務先の支給決定通知・内訳(退職金/弔慰金の区分)、支給確定日、退職金規程・議事録 |
| 法定相続人の数 | 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本、相続人の戸籍(養子・放棄の有無の確認) |
| 申告書への記載 | 生命保険金は第9表、退職手当金等は第10表に記載 |
受取額が非課税枠の範囲内で課税されない場合でも、申告書を提出するときは、後日の税務調査で説明できるよう、非課税財産として明細書に記載し、計算根拠となる資料を保管しておくのが安全です。
実務上の落とし穴
受取人を孫にすると、非課税枠が使えず2割加算まで受ける
代襲相続人でない孫を保険金受取人にした場合、その孫は相続人ではないため非課税枠が使えず、受け取った保険金は全額が課税対象になります。加えて、孫は「配偶者および一親等の血族以外の者」に当たるため、相続税額の2割加算の対象にもなります。良かれと思って孫を受取人にすると、非課税枠なし・2割加算ありで、税負担がかえって重くなることがあります。
相続放棄した人が受け取ると、全額課税
相続放棄をしても、保険契約上の受取人であれば保険金自体は受け取れます。しかし、放棄した人はもはや相続人ではないため、その人が受け取った保険金・退職金には非課税枠は適用されず、全額が課税対象になります(人数のカウントには含めるのに、本人には非課税が及ばない、という非対称に注意)。
契約形態を間違えると、そもそも相続税ですらない
保険料負担者と受取人が同一なら一時所得(所得税)、負担者・被保険者・受取人がすべて別人なら贈与税になります。相続税だと思って非課税枠を当てにしていたら、実は所得税・贈与税だった、というケースは珍しくありません。まず契約形態から税目を確定させることが出発点です。
死亡退職金の「3年」の壁
支給の確定が死亡後3年を超えると、相続税ではなく受取人の一時所得(所得税)となり、相続税の非課税枠は使えません。支給が長引きそうな場合は、確定時期を意識しておく必要があります。
過大な弔慰金は退職金扱いになる
弔慰金は原則非課税ですが、業務上3年分・業務外半年分の範囲を超える部分は退職手当金等として扱われ、死亡退職金の非課税枠の計算に取り込まれます。名目が弔慰金でも、金額が大きいと課税につながる点に注意が必要です。
判断フロー
| 手順 | 確認すること |
|---|---|
| 1 | 契約形態(保険料負担者・被保険者・受取人)を確認し、税目(相続税・所得税・贈与税)を確定する |
| 2 | 受取人が「相続人」かを確認する(相続放棄者・相続人以外は非課税枠の対象外) |
| 3 | 法定相続人の数を確定する(放棄はなかったものと数える/養子は実子あり1人・なし2人) |
| 4 | 非課税限度額(500万円×法定相続人の数)を計算する。生命保険金・死亡退職金で別々に |
| 5 | 相続人の受取合計が限度額を超える場合、各相続人に按分して非課税額・課税対象額を求める |
| 6 | 課税対象額を他の相続財産と合算し、基礎控除と比べて申告要否・税額を判定する |
想定Q&A集
Q1. 生命保険金には必ず相続税がかかりますか
いいえ。相続税がかかるのは、保険料を被相続人が負担し、受取人が相続人であるケースです。保険料負担者と受取人が同じなら一時所得(所得税)、負担者・被保険者・受取人がすべて別人なら贈与税になります。相続税のケースでも、500万円×法定相続人の数までは非課税です。
Q2. 生命保険金と死亡退職金の非課税枠は合算されますか
いいえ、別枠です。それぞれに500万円×法定相続人の数の枠があります。法定相続人が3人なら、保険金1,500万円・退職金1,500万円で合わせて3,000万円までを非課税にできます。ただし、保険金の枠を退職金に流用するといった使い回しはできません。
Q3. 相続放棄をすると、非課税枠の「人数」は減りますか
減りません。法定相続人の数は、相続放棄がなかったものとして数えます(相続税法15条2項)。ただし、放棄した人自身が受け取った保険金・退職金には非課税枠が適用されない点は別問題です。
Q4. 孫を保険金の受取人にしました。非課税枠は使えますか
代襲相続人でない孫は相続人ではないため、非課税枠は使えず、受け取った保険金は全額が課税対象です。さらに孫は相続税額の2割加算の対象にもなります。反対に、孫が代襲相続人(子が先に亡くなっている)である場合は相続人なので、非課税枠が使えます。
Q5. 相続人が3人ですが、保険金を受け取ったのは配偶者1人だけです。非課税枠はいくらですか
非課税限度額は受取人数ではなく法定相続人の数で決まるため、500万円×3人=1,500万円です。受け取ったのが配偶者1人だけでも、その1人が1,500万円まで非課税枠を使えます(按分の相手がいないため全額をその人に充てます)。
Q6. 養子が3人いる場合、非課税枠の人数は何人で数えますか
実子がいる場合は養子は1人まで、実子がいない場合は養子は2人までしか法定相続人の数に含められません。たとえば実子1人・養子3人なら、数えるのは実子1人+養子1人=2人です。この制限は基礎控除・生命保険金・死亡退職金のいずれの計算にも共通して適用されます。
Q7. 死亡退職金が死亡から4年後に確定しました。相続税ですか
いいえ。死亡後3年を超えて支給が確定したものは、相続税ではなく受け取った人の一時所得(所得税)になり、相続税の非課税枠は使えません。一時所得は、受取額から支出額と特別控除50万円を差し引いた残りの2分の1が課税対象です。反対に3年以内に確定していれば相続税で、非課税枠が使えます。
Q8. 弔慰金を受け取りました。相続税はかかりますか
通常の弔慰金や花輪代・葬祭料は原則として相続税の対象になりません。ただし、業務上の死亡なら普通給与の3年分、業務外の死亡なら半年分を超える部分は、退職手当金等として死亡退職金の非課税枠の計算に取り込まれます。名目が弔慰金でも、実質が退職金と認められれば課税されることがあります。
Q9. 受け取った保険金が非課税枠の範囲内なら、申告は不要ですか
申告が必要かどうかは、非課税枠を差し引いた後の課税価格の合計が基礎控除を超えるかで決まります。保険金が非課税枠内でも、他の相続財産と合わせて基礎控除を超えれば申告が必要です。逆に全体が基礎控除以下なら申告不要です。申告する場合は、非課税財産であっても明細書に記載しておくのが安全です。
Q10. 現金で持っておくより、生命保険にした方が有利ですか
現金3,000万円をそのまま残すと全額が相続財産ですが、同額を死亡保険金で受け取れば、相続人が受取人である限り500万円×法定相続人の数までが非課税になり、課税価格を圧縮できます。また、保険金は受取人固有の財産で、遺産分割協議を経ずに受け取れるため、納税資金の確保にも役立ちます。ただし、契約形態や受取人の指定を誤ると非課税枠が使えなかったり、所得税・贈与税になったりするため、設計は慎重に行う必要があります。
まとめ
生命保険金・死亡退職金は、民法上の遺産ではないものの、相続税法3条により「みなし相続財産」として相続税の対象になります。一方で遺族の生活保障の観点から、いずれも「500万円×法定相続人の数」の非課税枠が別々に設けられています。要点は、非課税枠が使えるのは相続人が受け取った場合に限られること、法定相続人の数は放棄をなかったものとして数え、養子には人数制限があること、死亡退職金は死亡後3年以内の確定が相続税の条件であること、そして受取人を孫にしたり契約形態を誤ったりすると非課税枠が使えず、かえって不利になり得ること、です。
- 生命保険金・死亡退職金はみなし相続財産。非課税限度額はどちらも500万円×法定相続人の数(別枠)
- 非課税枠が使えるのは相続人が受け取った場合だけ。相続放棄者・相続人以外(孫など)は対象外
- 法定相続人の数は放棄をなかったものと数え、養子は実子あり1人・なし2人まで(相続税法15条2項)
- 死亡退職金は死亡後3年以内の確定が相続税の条件。3年超は一時所得(所得税)
- 弔慰金は業務上3年分・業務外半年分まで非課税。超過分は退職金扱い
- 非課税枠と基礎控除は別枠。順に適用し、最終的に基礎控除以下なら相続税はかからない
※本記事は作成時点の法令・通達および公表資料(相続税法3条・12条・15条、相続税法基本通達3-18〜3-23、国税庁タックスアンサーNo.4114「相続税の課税対象になる死亡保険金」・No.4117「相続税の課税対象になる死亡退職金」・No.4120「弔慰金を受け取ったときの取扱い」・No.1750・No.4417等)に基づく一般的な解説です。個別の事案によって取扱いは異なる場合があるため、具体的な判断は最新の法令・通達の確認や、顧問税理士への相談・所轄税務署への確認をおすすめします。

