事業所税の課税標準の計算方法を完全解説|資産割・従業者割の計算方法

地方税

事業所税の税額計算では、「課税標準」の理解が欠かせません。本記事では課税標準の計算方法について詳しく解説します。

なお、免税点判定については「事業所税の免税点判定を徹底解説|従業者割のパート・出向者・役員等の特殊な取扱いも含む」の記事で詳細に解説しています。

また、「事業所税の免税点判定・課税標準・税額の概算ツール(簡易版)」「事業所税の免税点判定・課税標準・税額の概算ツール(詳細版)」もぜひご活用ください。

そもそも「課税標準」とは

課税標準とは、税額を計算するときの基準となる金額や数量のことをいいます。事業所税の税額は、課税標準に一定の金額または率を乗じて計算しますが、資産割と従業者割では計算方法が異なります。

課税区分 税額の計算式
資産割 事業所床面積(㎡)× 1㎡あたり600円
従業者割 従業者給与総額(円)× 0.25%

事業所税は、都市の集積による行政サービスから受益を受ける事業活動の規模に応じて課税する目的税であるため、事業活動の規模を客観的に示す指標が課税標準として採用されています。具体的には、資産割では事業所の物理的な広がりを示す「事業所床面積」、従業者割では人的規模を示す「従業者給与総額」が課税標準とされています。

資産割と従業者割の課税標準の概要

課税区分 課税標準 税額・税率 基準日・期間
資産割 事業所床面積 1㎡につき600円 算定期間の末日現在の事業所床面積
従業者割 従業者給与総額 100分の0.25 算定期間中に支払った給与等の総額
資産割と従業者割の違い:資産割は1㎡あたりの定額の税額(600円)を、従業者割は給与総額に対する税率(0.25%)を乗じて計算します。資産割は床面積1㎡につき600円という固定額のため、給与水準とは無関係に床面積だけで税額が決まる点が特徴です。

課税標準の算定期間とは

課税標準の算定期間とは、課税標準を計算する対象期間をいいます。

  • 法人の場合:事業年度(3月決算の法人であれば4月1日から3月31日まで(1年決算法人の場合))
  • 個人の場合:1月1日から12月31日まで
事業所税には申告納付期限の延長制度がありません。法人の場合、事業年度終了後2か月以内が申告納付期限となります。法人税の申告期限の延長特例を受けている法人でも、事業所税については2か月以内に申告納付しなければならない点に注意が必要です。

免税点判定と課税標準の関係

事業所税の計算では、まず免税点判定(そもそも課税されるかどうかの判定)を行い、免税点を超える場合に課税標準を算定して税額を計算します。本記事では課税標準の論点に絞って解説しますので、免税点判定の詳細は冒頭で紹介した記事をご覧ください。

資産割の課税標準(事業所床面積)

資産割の課税標準の基本

資産割の課税標準は、課税標準の算定期間の末日における、その課税団体内に所在する各事業所等の合計事業所床面積です。

事業所税は地方税法で定められた特定の都市(指定都市等)でのみ課税される税で、現在全国で77団体が課税団体となっています(令和8年4月1日現在)。

事業所税の課税団体は全国77団体(令和8年4月1日現在)
東京都(23区) 特別区
政令指定都市(20市) 札幌、仙台、新潟、千葉、さいたま、横浜、川崎、相模原、静岡、浜松、名古屋、京都、大阪、堺、神戸、岡山、広島、北九州、福岡、熊本
首都圏整備法の既成市街地(3市) 川口、武蔵野、三鷹
近畿圏整備法の既成都市区域(5市) 守口、東大阪、尼崎、西宮、芦屋
人口30万以上の指定市(48市) 旭川、秋田、郡山、いわき、宇都宮、前橋、高崎、川越、所沢、越谷、市川、船橋、松戸、柏、八王子、町田、横須賀、藤沢、富山、金沢、長野、岐阜、豊橋、岡崎、一宮、春日井、豊田、四日市、大津、豊中、吹田、高槻、枚方、姫路、明石、奈良、和歌山、倉敷、福山、高松、松山、高知、久留米、長崎、大分、宮崎、鹿児島、那覇

複数の課税団体に事業所がある場合の取扱い(重要)

複数の課税団体に事業所がある場合、事業所税は課税団体ごとに別々に判定・申告します。例えば、東京23区と横浜市の両方に事業所がある場合、東京都と横浜市にそれぞれ別個に申告及び納付が必要です。

本記事の前提:以下は東京都(23区内)を前提に解説します。他の課税団体(政令指定都市等)でも基本的な仕組みは同じですが、減免制度などの細かい運用は団体ごとに異なる場合があります。実際の申告にあたっては、事業所等の所在する課税団体(都税事務所・市役所等)に直接ご確認ください。

「事業所等」とは何か

事業所税における「事業所等」とは、事務所または事業所をいい、それが自己の所有に属するものであるか否かにかかわらず、事業の必要から設けられた人的、物的設備で継続して事業が行われる場所をいいます。

「事業所等」に該当する施設の具体例
  • 事務所(本社、支店、営業所、研究所など)
  • 店舗(小売店、飲食店、サービス店など)
  • 工場(製造工場、加工場など)
  • 倉庫(自社倉庫、賃借倉庫など)
  • その他、人的・物的設備があり継続して事業が行われる場所
自己所有かどうかは問わないのがポイントです。賃借物件であっても、そこに人的・物的設備があり継続して事業が行われていれば「事業所等」に該当します。テナントとして賃借しているオフィスや店舗も、すべて事業所等となります。建設現場の仮設事務所や屋外設備など、事業所等の範囲の判定で迷いやすいケースは「事業所税の「事業所等」とは?現場事務所・倉庫・屋外設備の課税判定を解説」で詳しく解説しています。

同一建物内に複数の事業所等がある場合の取扱い

同じ建物内に事務所・店舗・倉庫などを複数設けている場合、それらをすべてあわせて「一の事業所等」として扱います。建物内に部署ごとの拠点が分かれていても、同一建物内であれば一の事業所等です。

具体例:同一ビル内に複数フロア

A社が東京23区内の同じビル内で、以下のように複数フロアを使用している場合:

  • 2F:事務所部分(300㎡)
  • 3F:会議室・応接室(200㎡)
  • 地下1F:倉庫(150㎡)

→ これら3つは合計650㎡の一の事業所等として扱います。

事業所床面積の定義

事業所床面積とは、事業所用家屋の延べ面積(共用床面積を含む各階床面積の合計)をいいます。例えば東京都の場合、課税標準の算定期間の末日における23区内に所在する各事業所等(事務所・店舗・工場・倉庫等)の合計事業所床面積となります。

ここでいう「事業所用家屋」とは、家屋(固定資産税における家屋と同じ概念)の全部または一部で、現に事業所等の用に供するものをいいます。家屋は不動産登記法上の建物の概念と同じで、建物登記簿に登記されるべき建物(登記の有無は問わない)をいいます。

事業所床面積の測定方法

事業所床面積は、事業所用家屋の各階ごとに、壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積により、平方メートルを単位として計算します。このとき、1㎡の100分の1未満の端数は切り捨てます

事業所床面積の測定のポイント
  • 壁芯(へきしん):各階ごとに、壁その他の区画の中心線で囲まれた部分で測定します(内法ではありません)
  • 水平投影面積:上から見た水平方向の投影面積で計算します
  • 単位・端数:㎡を単位とし、1㎡の100分の1未満(小数点以下第3位以降)は切り捨てます
マンションやオフィスビルの賃貸借契約書に記載される面積は、壁の内側で測る「内法(うちのり)面積」の場合があります。事業所税は壁芯(中心線)で測るため、契約書の面積と事業所床面積が一致しないことがあります。賃借物件で正確な床面積が不明な場合は、管理会社やオーナー、または所管の課税団体に確認するのが確実です。

床面積情報の確認方法の一例

1. 賃貸物件である場合
賃貸借契約書に記載されている面積情報を確認
共用部分の面積情報が不明である場合には管理会社やオーナーへ確認するのが確実

2. 自社所有物件である場合
建物登記簿謄本を確認

登記面積と現況面積が異なる場合(重要)

登記面積と実際の現況面積が異なる場合は、現況床面積を事業所床面積とします。リフォーム等で実際の使用面積が変わっている場合は注意が必要です。

具体例:建物の登記簿上の床面積は900㎡だが、リフォームでベランダ部分を屋内化したため現況の床面積は1,050㎡となっている場合、事業所床面積は1,050㎡として計算します。固定資産税の家屋評価において課税床面積が変更されていない場合でも、事業所税では現況床面積で判定する点に注意が必要です。

専用部分と共用部分

複数の事業者が使用している家屋、または一部を居住の用に供している家屋では、専用部分と共用部分を区別する必要があります。

区分 内容 具体例
専用部分 専ら事業所等として使用する部分(住宅にあっては専ら居住の用に供する部分) テナントの占有部分、賃借区画内の事務室・店舗
共用部分 上記専用部分に係る共同の用に供する部分 廊下、階段、ビル塔屋、エレベーター、パイプスペース、機械室、電気室、共用トイレ、エントランスホールなど

共用部分の按分計算

共用部分がある場合、各事業者の事業所床面積は専用部分と共用部分の按分計算によって算出します。共用部分は、一棟全体の専用部分の床面積比で各事業者に按分配分されます。

当該事業者の事業所床面積 = 専用部分の床面積 + 一棟全体の共用部分の床面積 ×(当該事業者の専用部分 ÷ 一棟全体の専用部分の合計)
分母には住宅部分も含む:一棟全体の専用部分の合計床面積を計算する際、住宅部分(居住の用に供する部分)も含めて計算します。住宅部分も「専用部分」に該当するためです。
計算例:1棟の床面積7,200㎡のビル

専用部分の内訳

  • A社(4〜6F・事務所):3,000㎡
  • B店(2・3F・店舗):2,000㎡
  • 住宅(1F):1,000㎡
  • 専用部分合計:6,000㎡

共用部分(廊下・階段・塔屋):1,200㎡

計算結果

A社の事業所床面積 3,000㎡+(1,200㎡×3,000㎡÷6,000㎡)=3,600㎡
B店の事業所床面積 2,000㎡+(1,200㎡×2,000㎡÷6,000㎡)=2,400㎡

※ 一棟全体の専用部分の合計(6,000㎡)には、住宅部分(1,000㎡)も含めて計算しています。

課税標準の算定期間が12月未満の場合

新規設立、解散、半年決算法人、決算期変更等で課税標準の算定期間が12か月に満たない場合は、月割計算を行います。

課税標準 = 算定期間末日現在の事業所床面積 ×(算定期間の月数 ÷ 12)
月数の数え方:月数は暦に従って計算し、1か月に満たない端数が生じた場合は1か月として計算します。例えば、4月1日から12月15日までの期間は「8か月+15日」となり、端数の15日を1か月とカウントして合計9か月として計算します。

事業所等の新設・廃止の月割計算

課税標準の算定期間の中途で事業所等を新設または廃止した場合の課税標準は、月割計算により算定します。

「新設の日」「廃止の日」の定義

事業所等の新設の日・廃止の日は、営業開始日(オープンの日)・終了日ではなく、当該業務の準備期間等を含めた日となります。賃借の場合は、原則として賃貸借期間の開始日・終了日です。

注意点:例えば10月1日から賃貸借契約を開始し、内装工事等を経て11月15日に店舗オープンした場合、事業所等の「新設の日」は10月1日(賃貸借開始日)であり、11月15日(オープン日)ではありません。月割計算の月数カウントもここを基準とします。

月割計算のルール

  • 新設の場合:新設日の属する月の翌月から算定期間末日の属する月までの月数
  • 廃止の場合:算定期間開始日の属する月から廃止日の属する月までの月数
  • 算定期間の開始日に新設された事業所等は、中途新設にはなりません(通常通り全期間で算定)
計算例①:新設の場合

A社(12月31日決算)が事業年度中途の8月25日にa支店(1,200㎡)を新設

→ 新設月の翌月(9月)から12月までの4か月分を計算

a支店の課税標準 = 1,200㎡ ×(4月 ÷ 12月)= 400㎡

計算例②:廃止の場合

B社(3月31日決算)が事業年度中途の5月15日にb支店(1,200㎡)を廃止

→ 算定期間開始月(4月)から廃止月(5月)までの2か月分を計算

b支店の課税標準 = 1,200㎡ ×(2月 ÷ 12月)= 200㎡

「事業所等の新設・廃止」と「同一事業所等の床面積増減」の違い(重要)

ここで重要なのが、「事業所等の新設・廃止」と「同一事業所等の床面積の増減」は異なるという点です。

区分 意味 課税標準の算定
事業所等の新設・廃止 一の事業所等の単位で、その全体についての新設または廃止 月割計算する
同一事業所等の床面積の増減 既存事業所等の床面積の増減(拡張・縮小) 月割計算しない(末日の床面積で算定)
同一建物内における事業所床面積の増減(フロアの借り増し・契約解除等)は、「事業所等の新設・廃止」には該当せず、同一事業所等の床面積の増減として扱います。この場合、月割計算は行わず、算定期間末日の事業所床面積で課税標準を算定します。
計算例:同一支店の床面積増加

D社(3月31日決算)の貸ビル内のd支店(800㎡)について:

  • 12月1日に300㎡借り増し(合計1,100㎡)
  • 2月1日に別フロアの営業所400㎡を借り増し(合計1,500㎡)

→ 算定期間末日(3月31日)の事業所床面積1,500㎡がそのまま課税標準となります

計算例:同一支店の床面積減少

E社(12月31日決算)が貸ビル内のe支店(1,100㎡)について、事業年度中途の7月31日に一部の契約を解除し、800㎡とした場合:

→ 算定期間末日(12月31日)の事業所床面積800㎡が課税標準となります(縮小前の床面積は考慮しない)

従業者割の課税標準(従業者給与総額)

従業者割の課税標準は、23区内の事業所等において、課税標準の算定期間中に従業者に対して支払われた従業者給与総額です。

「従業者」の範囲

事業所税における「従業者」とは、事業所等で勤務する人をいい、その範囲は広く以下を含みます。

「従業者」に含まれる主な範囲
  • 一般の従業者:正社員、契約社員、嘱託社員など
  • 役員:取締役、執行役、監査役等の法人税法上の役員(無給役員除く)
  • 臨時従業者:日々雇用、季節雇用などの臨時従業員
  • パートタイマー(給与総額への計上の場面では含まれる)
  • 出向者:給与の負担関係に応じて出向元または出向先で従業者となる
免税点判定との違いに注意:「従業者」の範囲は、免税点判定と課税標準(給与総額)で異なる場合があります。例えばパートタイマー(相当短時間勤務)は免税点判定の人数には含めませんが、給与総額には含めます。中途退職者も同様で、免税点判定の人数には含めませんが、退職時までの給与は給与総額に含めます。この非対称な扱いに注意が必要です。詳しくは免税点判定の記事をご覧ください。

「給与等」の範囲

従業者給与総額における「給与等」とは、所得税法上の給与と意義を同じくするものです。所得税で給与所得とされる部分が、事業所税の課税標準にも含まれます。

区分 具体例
含まれる 俸給、給料、賃金、賞与、扶養手当、住居手当、時間外勤務手当、所得税の取扱い上課税とされる通勤手当・現物給与など
含まれない 退職給与金、年金、恩給、所得税の取扱い上非課税とされる通勤手当、外交員等の業務に関する報酬で給与所得に該当しないもの

通勤手当の取扱い(重要)

通勤手当は、その金額が所得税法上の非課税限度額の範囲内であれば従業者給与総額に含めませんが、非課税限度額を超える部分は従業者給与総額に含めます

通勤手当の所得税法上の非課税限度額(参考)
  • 電車・バス等の交通機関を利用:月15万円まで非課税
  • マイカー・自転車等の交通用具を利用:通勤距離に応じて月2,000円〜31,600円まで非課税
  • これらを超える部分は給与所得として課税され、事業所税の従業者給与総額にも含めます

「支払われるべき給与」の意味

従業者給与総額には、算定期間中に「支払われた」給与のほか、「支払われるべき」給与も含まれます。「支払われるべき給与等」とは、課税標準の算定期間中に支払い義務が確定した給与等をいいます。

未払金処理した給与の取扱い:未払金として損金経理された給与は、原則としてその算定期間の従業者給与総額に含めます。例えば3月決算法人で、3月分の給与を4月10日に支払う場合、3月分の給与は支払日が4月でも、支払い義務が3月に確定しているため、3月期の従業者給与総額に含めます。

高齢者・障害者・雇用改善助成対象者の取扱い

従業者割の課税標準を算定する際、以下の従業者については特別な取扱いがあります。

区分 対象 課税標準上の取扱い
高齢者 年齢65歳以上の者(役員を除く) 給与等を全額除いて算定
障害者 所得税・住民税の障害者控除対象者(役員を除く) 給与等を全額除いて算定
雇用改善助成対象者 55歳以上65歳未満で、雇用保険法等の助成対象者 給与等の1/2を除いて算定
高齢者等の判定は、その者に対して給与等が支払われる時の現況によります。給与の計算の基礎となる期間(月給・週給等の期間)の末日の現況で判定されます。詳細は免税点判定の記事をご覧ください。

特殊な勤務形態の従業者の取扱い

特殊な勤務形態にある従業者については、雇用関係の実態に応じて以下のように取り扱います。

勤務形態 課税標準上の取扱い
役員(高齢者を含む) 原則として本社の従業者給与総額に含める
無給の役員 給与の支払いがないため、給与総額にも含めない
パートタイマー 給与総額に含める(免税点判定では除外される場合あり)
日々雇用等の臨時従業員 給与総額に含める
出向(出向元が給与支払い) 出向元の給与総額に含める
出向(出向先が給与負担) 出向先の給与総額に含める
出向(出向元と出向先が一部負担) それぞれの会社が実際に負担した金額を、それぞれの会社の給与総額に含める
中途退職者 退職時までの給与等を給与総額に含める
休職中の従業者 給与等が一度でも支払われていれば給与総額に含める
在宅勤務者(一度も出勤せず) 給与総額に含めない
海外・課税区域外への長期派遣 給与総額に含めない
派遣労働者 派遣元の給与総額に含める
常時船舶の乗組員 給与総額に含めない
保険外交員 所得税法上の給与等が支払われている場合は含める
役員報酬の取扱い:役員報酬・役員賞与は、役員が法人全体の経営に従事し、原則として勤務すべき場所が本社と考えられることから、原則として本社の従業者給与総額に含めて取り扱うのが一般的です。ただし、使用人兼務役員の使用人としての給与(営業部長や工場長としての給与部分)は、勤務地の従業者給与総額に含めます。役員の勤務実態や課税団体の取扱いにより判断が分かれる場合があるため、迷うときは所管の課税団体に確認してください。

非課税規定の適用を受ける事業とその他の事業を併せ行う場合の按分

事業者が非課税規定の適用を受ける事業と受けない事業を併せ行う場合、これらに従事する従業者の給与等は、それぞれの事業に従事した分量に応じて按分します。

各事業に係る給与等 = 当該従業者の給与等 × 各事業に従事した分量の割合
従事分量が明らかでない場合:それぞれの事業に均等に従事したものとして計算します。例えば、非課税対象事業と課税対象事業の2つに同一人物が従事し、従事分量が不明な場合は、給与等を1/2ずつ按分します。

課税標準計算の流れ

資産割の課税標準計算ステップ

  1. 各事業所等の事業所床面積を算定(壁芯の水平投影面積。共用部分の按分計算を含む)
  2. 非課税対象の床面積を控除(人的非課税・用途非課税)
  3. 課税標準の特例対象部分は特例控除を適用(情報通信業務用施設等の1/2控除など)
  4. 新設・廃止があった事業所等は月割計算(同一事業所等の床面積増減は月割しない)
  5. 23区内全事業所の合計を算出 → 資産割の課税標準

従業者割の課税標準計算ステップ

  1. 算定期間中の従業者給与総額を集計(所得税法上の給与所得と同じ範囲)
  2. 高齢者・障害者の給与等を全額控除(役員除く)
  3. 雇用改善助成対象者の給与等の1/2を控除
  4. 非課税対象事業に従事する従業者の給与等を控除(按分計算が必要な場合あり)
  5. 23区内全事業所の合計を算出 → 従業者割の課税標準

まとめ

この記事のポイント
  • 事業所税の課税標準は、資産割は事業所床面積、従業者割は従業者給与総額
  • 「事業所等」は事業の必要から設けられた人的・物的設備で継続して事業が行われる場所(自己所有かどうかは問わない)
  • 事業所床面積は壁の中心線で囲まれた水平投影面積(1㎡の1/100未満切捨)。登記面積ではなく現況面積で判定
  • 共用部分は専用部分の床面積比で按分。一棟全体の専用部分の合計には住宅部分も含める
  • 事業所等の新設・廃止は月割計算、同一事業所内の床面積増減は月割しない
  • 新設・廃止の日は営業開始日ではなく、業務準備期間を含めた日(賃借の場合は賃貸借期間の開始日・終了日)
  • 従業者割の課税標準は従業者給与総額(所得税法上の給与所得と同じ範囲)。未払金処理した給与も支払義務が確定していれば含める
  • 通勤手当は所得税法上の非課税限度額を超える部分のみ給与総額に含める
  • 高齢者・障害者の給与は全額控除、雇用改善助成対象者は1/2控除
  • 役員報酬は原則本社の給与総額に含める(使用人兼務役員の使用人分は勤務地に含める)
  • 出向者は給与負担割合に応じて出向元・出向先のどちらに含めるか判定
  • 事業所税には申告納付期限の延長制度がない(法人税の延長特例を受けていても2か月以内に申告納付)
事業所税シリーズ 記事一覧
  1. 事業所税とは?仕組みと概要
  2. 事業所税の納税義務者と課税対象
  3. 【今ここ】事業所税の課税標準(資産割・従業者割)の計算方法
  4. 事業所税の免税点判定を徹底解説
  5. 事業所税の非課税・課税標準の特例・減免
  6. 事業所税のみなし共同事業
  7. 事業所税の申告と納付の方法・期限・加算金

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