事業所税の非課税・課税標準の特例・減免を完全解説|申請手続き・免税点との関係も

地方税

事業所税には、税負担を軽減する3つの制度があります。非課税・課税標準の特例・減免です。名前は似ていますが、軽減が働く「段階」がまったく異なります。非課税は課税対象そのものから外し、課税標準の特例は課税標準(床面積・給与総額)を削り、減免は最後に算出された税額を削る、という具合に、税額計算のどの位置で効くかが3者で違います。この違いは単なる分類上の話ではなく、免税点の判定で控除できるか・申請が要るか・適用順序はどうかといった実務の結論を左右します。本記事では、3制度を地方税法の条文に沿って分解し、混同しやすいポイントを具体例とともに整理します。

この記事のポイント
  • 事業所税の軽減制度は、非課税(地方税法701条の34)・課税標準の特例(同701条の41)・減免(条例)の3つ
  • 効く段階が違う。非課税=課税対象外、特例=課税標準を控除、減免=税額を減額
  • 申請の要否が違う。非課税・特例は申請不要(申告書で適用)、減免は減免申請書の提出が必須
  • 免税点判定での扱いが違う。非課税は床面積から控除するが、特例・減免は控除しない(最重要・誤りやすい)
  • 非課税は人的非課税(701条の34第2項)と用途非課税(同第3項)に分かれ、列挙された用途以外は対象外
  • 収益事業と非収益事業を併せ行う場合は、法人税法施行令6条の区分経理で非課税部分を算定する

  1. 非課税・課税標準の特例・減免の違い
  2. 免税点判定での3制度の扱いの違い(最重要)
  3. 非課税
    1. 非課税の2つの種類
    2. 主な非課税対象施設
    3. 非課税の適用判定
      1. 収益事業と非収益事業が混在する場合の区分
      2. 従業者割の按分
  4. 課税標準の特例
    1. 課税標準の特例の仕組み
    2. 主な課税標準の特例対象施設
    3. 課税標準の特例の重複適用
  5. 減免
    1. 減免の仕組み
    2. 主な減免対象施設
    3. 減免の申請手続き
  6. 3制度共通の判定ルール
  7. 想定Q&A集
    1. Q1. 課税標準の特例が使える施設なら、免税点判定でも床面積を減らせますか
    2. Q2. 非課税・特例は申告しなくても自動で適用されますか
    3. Q3. 減免の申請を忘れて、減免額を引いた額で申告・納付してしまいました
    4. Q4. 病院を運営していますが、建物全体が非課税になりますか
    5. Q5. 公益法人ですが、収益事業も少し行っています。事業所税はかかりますか
    6. Q6. 倉庫業の特例(3/4控除)は、自社で使う倉庫にも使えますか
    7. Q7. 1つの施設が複数の特例に該当する場合、控除を重ねられますか
    8. Q8. 非課税部分と特例部分が同じ施設にある場合、どう計算しますか
    9. Q9. 期の途中で非課税事業をやめました。非課税判定はどうなりますか
    10. Q10. 減免の割合や対象は、どの自治体でも同じですか
    11. Q11. 消防用設備があれば、その分の床面積は非課税になりますか
  8. まとめ

非課税・課税標準の特例・減免の違い

事業所税の負担軽減制度には、以下の3つがあります。いずれも「税負担が軽くなる」点は共通しますが、税額計算のどの段階で働くかが異なります。

制度 仕組み 根拠 申請の要否
非課税 事業所税が課されない(課税標準・免税点判定からも除外) 地方税法701条の34 申請不要(申告書で適用)
課税標準の特例 課税標準(床面積・給与総額)から一定割合を控除 地方税法701条の41 申請不要(申告書で適用)
減免 税額から一定割合を減免 各自治体の条例 減免申請書の提出が必要
3つの制度の関係:非課税は「そもそも課税対象外」、課税標準の特例は「課税標準を減らす」、減免は「税額そのものを減らす」という違いがあります。同じ施設に複数の制度が関係する場合は、税額計算の流れに沿って非課税(課税対象から除外)、課税標準の特例(課税標準を控除)、減免(税額を減額)の順で働きます。

免税点判定での3制度の扱いの違い(最重要)

3制度でもっとも誤りやすいのが、免税点(床面積1,000㎡・従業者100人)の判定でどう扱うかです。結論として、非課税は免税点判定の床面積・人数から控除できますが、課税標準の特例と減免は控除できません。効く段階が違うことの当然の帰結ですが、実務では取り違えが頻発します。

制度 免税点判定での扱い 理由
非課税 控除する そもそも課税対象でないため、判定の母数からも外れる
課税標準の特例 控除しない 課税対象ではあり、税額計算の段階で課税標準を減らすだけ
減免 控除しない 税額確定後の減額措置であり、判定には影響しない
具体例で確認:課税標準の1/2控除の特例が使える施設(情報処理用機器の研究施設等)が500㎡、その他オフィスが700㎡で合計1,200㎡の事業所を考えます。特例で課税標準は減らせますが、免税点判定は控除前の1,200㎡で行うため、1,000㎡超として資産割が課税されます。「特例があるから免税点以下」と誤認すると申告漏れになります。一方、この500㎡が”非課税”施設だったなら、判定は1,200−500=700㎡となり免税点以下です。同じ床面積でも、非課税か特例かで結論が逆になります。免税点判定の詳細は事業所税の免税点判定の記事もあわせてご覧ください。

非課税

非課税の2つの種類

事業所税の非課税には、「人的非課税」と「用途非課税」の2種類があります。人的非課税は地方税法701条の34第1項・第2項、用途非課税は同条第3項を中心に定められています。

種類 概要 主な対象
人的非課税 事業を行う者の人格に着目した非課税(701条の34第1項・第2項) 国・地方公共団体・公共法人(第1項)、公益法人等・人格のない社団等の収益事業以外の事業(第2項)など
用途非課税 施設の用途に着目した非課税(701条の34第3項) 教育・社会福祉・医療施設など、特定の用途に供される事業所
用途非課税については、非課税対象として法令(701条の34第3項各号)に列挙された用途以外に供される場合は非課税となりません。「学校だから非課税」「病院だから非課税」と短絡的に判断せず、具体的にどの用途部分が非課税対象になるかを条文・一覧表で確認する必要があります。たとえば病院・診療所は同項第9号に掲げられていますが、政令で定める範囲に限られます。

主な非課税対象施設

分野 主な非課税施設
教育 学校教育法上の学校(小・中・高・大学・専修学校等)の校舎、各種学校で一定のもの等
社会福祉 社会福祉法に規定する社会福祉事業の用に供する施設、認可保育所、認定こども園、児童福祉施設等
医療・公衆衛生 病院・診療所のうち政令で定めるもの、介護老人保健施設・介護医療院で政令で定めるもの、看護師等の養成所等(701条の34第3項9号)
交通・港湾 鉄道事業者・軌道経営者などの一定施設、港湾施設等
公営事業 下水道事業、一般廃棄物処理施設、一定の電気供給(送配電等)の用に供する施設等
農林水産 農林漁業を営む者が直接生産の用に供する施設、農協・漁協等の共同利用施設で政令で定めるもの、卸売市場等
防災・その他 一定の防火対象物に設置する消防用設備等・防災施設のうち政令で定める部分(資産割。701条の34第4項)、寺院・神社の境内施設、一般公衆浴場等
非課税対象施設の正確な範囲は、東京都主税局が公表している「非課税対象施設一覧表」をご確認ください。条件付きの非課税(「一定のもの」「政令で定めるもの」など)が多いため、具体的な該当性は所管都税事務所への確認をお勧めします。なお、消防用設備等のうち天井・壁等に取り付けられているものは、床面積を占有しないため非課税となる床面積はありません。

非課税の適用判定

項目 取扱い
判定の基準日 課税標準の算定期間の末日の現況で判定(701条の34第6項)
算定期間中途で廃止の場合 廃止の直前に行われていた事業により非課税判定
公益法人等の収益事業との併用 同一事業所内で収益事業と非収益事業を併せ行い区分できない場合、法人税法施行令6条の区分経理に基づき非課税部分を算定

収益事業と非収益事業が混在する場合の区分

公益法人等は、収益事業以外の事業が非課税(701条の34第2項)ですが、同じ事業所で収益事業も行っている場合、その事業所の床面積・給与総額を課税部分(収益事業)と非課税部分(非収益事業)に区分する必要があります。区分が明確でないときは、法人税法施行令6条の区分経理の方法に基づいて算定します。

具体例:公益財団法人の事業所(収益事業を併営)

23区内に事務所(合計1,500㎡)を持つ公益財団法人で、本来の公益目的事業のほか、収益事業(物品販売)を行っているケース:

  • 公益目的事業(非収益事業)に使う部分:1,100㎡
  • 収益事業に使う部分:400㎡

非課税判定:収益事業以外の1,100㎡は非課税、課税対象は収益事業の400㎡

免税点判定:課税対象は400㎡のみ、1,000㎡以下なので資産割は課税なし

区分が床面積で明確にできない共用部分等は、施行令6条の区分経理(収益・非収益の従事割合等)で按分します。

従業者割の按分

非課税事業と課税事業の両方に従事する従業者の給与は、それぞれの事業に従事した分量に応じて按分します。従事割合が明らかでない場合は、均等に従事したものとみなして按分します。たとえば、課税事業と非課税事業に半々で従事する従業者の給与は、2分の1のみが従業者割の課税標準に含まれます。

課税標準の特例

課税標準の特例とは、特定の用途に供される事業所等について、課税標準(事業所床面積または従業者給与総額)から一定割合を控除する制度です(地方税法701条の41)。非課税と違い課税対象ではあり、税額計算の段階で課税標準を圧縮します。そのため免税点判定では控除されません(前述)。

課税標準の特例の仕組み

「課税標準の特例対象施設一覧表」に掲げる施設について、事業所床面積または従業者給与総額に所定の控除割合を乗じた額が課税標準から控除されます。なお、701条の34の非課税の適用を受ける部分は、特例の計算対象から除かれます(二重には効かせない)。

控除額 = 対象施設の事業所床面積(または給与総額)× 控除割合

主な課税標準の特例対象施設

対象施設 控除割合
倉庫業法に規定する倉庫業者が本来の事業の用に供する施設(資産割) 3/4
特定の港湾運送業の用に供する施設 3/4
法人税法2条7号の協同組合等が本来の事業の用に供する施設(資産割・従業者割) 1/2
旅館業法のホテル・旅館営業用施設(風俗関連営業を除く。客室・食堂・ロビー・浴室等。資産割) 1/2
物流総合効率化法の認定を受けた特定流通施設 1/2
心身障害者を多数雇用する一定の事業所(資産割。701条の41第2項) 1/2
上記は主な例です。控除割合は施設の種類によって3/4・1/2・1/4などのバリエーションがあります。適用には許可証等の写しの添付を求められることがあります。詳細は東京都主税局「課税標準の特例対象施設一覧表」をご確認ください。
具体例:倉庫業者の資産割(3/4控除)

倉庫業法の登録を受けた倉庫業者が、23区内に本来の事業用倉庫4,000㎡を有するケース(資産割の税率は1㎡600円):

  • 免税点判定:4,000㎡は特例控除前で判定、1,000㎡超なので資産割は課税
  • 課税標準:4,000㎡ − 4,000㎡×3/4(=3,000㎡控除) = 1,000㎡
  • 資産割の税額:1,000㎡ × 600円 = 60万円

特例で課税標準は4分の1に圧縮されますが、免税点判定は4,000㎡で行う点に注意。控除があっても申告は必要です。

課税標準の特例の重複適用

「課税標準の特例対象施設一覧表」に掲げた特例規定のうち2以上の規定に重複して該当する場合は、以下の順序で適用されます。

適用順位 適用条項
適用順位1 法第701条の41第1項(特例対象施設一覧表の1番〜19番)
適用順位2 法第701条の41第2項(特例対象施設一覧表の20番。心身障害者の多数雇用)
適用順位1の規定を適用後の課税標準について、適用順位2の規定が適用されます。また、法第701条の41第1項の表各号の重複適用は行いません(1項の中で複数に該当しても、いずれか一つの控除のみ)。

減免

減免とは、各自治体の条例に基づく措置で、税額そのものから一定割合を減額する制度です。東京都の場合、知事が必要と認める者に限り講じられます。非課税・特例が法律(地方税法)に根拠を持ち申請不要で適用されるのに対し、減免は条例に基づき、申請してはじめて適用される点が決定的に異なります。

減免の仕組み

「減免対象施設一覧表」に掲げる施設について、事業所床面積または従業者給与総額に減免割合および税率を乗じた税額が減免されます。

減免税額 = 対象施設の事業所床面積(または給与総額)× 減免割合 × 税率

主な減免対象施設

分野 主な減免対象
中小企業支援 中小企業対策等の産業振興政策上特に配慮の必要があると認められる一定の事業所等
生協・農協等 消費生活協同組合・農業協同組合等の特定事業所
公益法人 特定公益法人等の収益事業の用に供する事業所
災害等 災害等によって甚大な被害を受けた者の事業所
減免の対象・割合は自治体の条例ごとに異なります。上記は東京都の例をもとにした代表的な区分です。自社の事業所が減免対象になるかは、所管の都税事務所・市役所等に確認してください。

減免の申請手続き

減免を受けるためには、事業所税の申告納付期限までに「事業所税減免申請書」を提出する必要があります。申請の有無で初回と2回目以降の手続きが変わります。

申請区分 手続き
初めて減免申請 減免申請額を含めて申告納付し、減免申請書と減免事由を証する書類を添付
2回目以降(事由に異動なし) 減免額を差し引いて申告納付可能(減免申請書の提出は引き続き必要)
2回目以降(事由に異動あり) 初めての場合と同様、減免申請額を含めて申告納付
申請を忘れると減免を受けられません。非課税・特例は申告書上で当然に適用されますが、減免は申請主義です。初年度に減免申請を忘れて減免額を差し引いた額で申告納付すると、減免の適用を受けられず、差し引いた分が税額不足(過少申告)として扱われ、加算金・延滞金の対象になり得ます。申告納付期限までの申請を徹底してください。

3制度共通の判定ルール

項目 取扱い
判定の基準日 課税標準の算定期間の末日の現況で判定(非課税は701条の34第6項、特例は701条の41第3項)
算定期間中途で廃止 廃止の直前に行われていた事業により判定
対象事業と非対象事業の併用 従業者給与総額は事業に従事した分量に応じて按分(明らかでない場合は均等とみなす)

想定Q&A集

Q1. 課税標準の特例が使える施設なら、免税点判定でも床面積を減らせますか

減らせません。免税点判定で床面積から控除できるのは「非課税」部分だけです。課税標準の特例は課税対象であることを前提に、税額計算の段階で課税標準を圧縮する制度なので、免税点判定は控除前の床面積で行います。たとえば特例対象500㎡+通常700㎡=1,200㎡なら、判定は1,200㎡で1,000㎡超(課税)です。非課税と特例の取り違えが、申告漏れの典型原因です。

Q2. 非課税・特例は申告しなくても自動で適用されますか

いいえ。非課税・特例は減免と違って「申請」は不要ですが、申告書に記載してはじめて適用されます。何も申告しなければ、本来非課税の部分も含めて課税されたまま、あるいは無申告として扱われるおそれがあります。免税点を超えるなら、非課税・特例を反映した申告書を期限内に提出する必要があります。「申請不要」と「申告不要」は別物です。

Q3. 減免の申請を忘れて、減免額を引いた額で申告・納付してしまいました

減免は申請主義のため、申請がなければ減免は適用されません。減免額を差し引いて納付すると、その差額は税額不足(過少申告)となり、不足税額の追徴に加えて加算金・延滞金の対象になり得ます。非課税・特例なら申告書記載で当然に反映されますが、減免は別枠で申請が必須です。気づいた時点で速やかに所管自治体に相談してください。

Q4. 病院を運営していますが、建物全体が非課税になりますか

建物全体とは限りません。用途非課税は地方税法701条の34第3項に列挙された用途部分に限られ、病院・診療所も「政令で定めるもの」という条件付きです。医療の用に直接供する部分は非課税でも、併設の売店・レストラン・有料駐車場など収益的な部分は課税対象になり得ます。「病院だから全部非課税」と判断せず、用途ごとに区分して判定する必要があります。

Q5. 公益法人ですが、収益事業も少し行っています。事業所税はかかりますか

公益法人等は収益事業以外の事業が非課税(701条の34第2項)ですが、収益事業の部分は課税対象です。同じ事業所で両方を行う場合、床面積・給与総額を収益事業部分と非収益事業部分に区分し、収益事業部分のみで免税点判定・課税標準を計算します。区分が明確でない共用部分等は、法人税法施行令6条の区分経理に基づいて按分します。収益事業の規模が小さく免税点以下なら、結果的に課税なしになることもあります。

Q6. 倉庫業の特例(3/4控除)は、自社で使う倉庫にも使えますか

使えません。課税標準の特例の対象は、倉庫業法に基づく登録を受けた倉庫業者が「本来の事業の用」に供する営業倉庫です。自社製品を保管するだけの自家用倉庫(自己の事業のための倉庫)は、倉庫業の用に供する施設に当たらず、特例の対象外で通常どおり課税されます。登録倉庫業者であることと、本来の事業用であることの両方が要件です。

Q7. 1つの施設が複数の特例に該当する場合、控除を重ねられますか

原則として重ねられません。法第701条の41第1項の表の各号は重複適用しないため、複数該当してもいずれか一つの控除のみです。ただし、第1項(適用順位1)の控除後の課税標準に対して、心身障害者の多数雇用に係る第2項(適用順位2)の控除を重ねて適用することはできます。1項どうしは重複不可、1項と2項は順次適用、と整理すると分かりやすいです。

Q8. 非課税部分と特例部分が同じ施設にある場合、どう計算しますか

まず非課税部分を課税対象から除外し、残った課税対象部分について課税標準の特例を適用します。特例は「701条の34の非課税の適用を受けるものを除く」と定められており、非課税部分に特例を重ねて効かせることはありません。順序としては、非課税で外す、特例で課税標準を削る、(該当すれば)減免で税額を削る、という流れになります。

Q9. 期の途中で非課税事業をやめました。非課税判定はどうなりますか

非課税の判定は算定期間末日の現況によります(701条の34第6項)。期の途中で非課税事業をやめ、末日時点では課税事業のみなら、その事業所は課税対象として判定されます。ただし、算定期間の途中で事業所自体を廃止した場合は、廃止直前に行われていた事業によって非課税判定を行います。「末日の現況」と「廃止時は直前の事業」の2つの基準を使い分けます。

Q10. 減免の割合や対象は、どの自治体でも同じですか

同じではありません。減免は地方税法ではなく各自治体の条例に基づくため、対象施設・減免割合・手続きが自治体ごとに異なります。一方、非課税(701条の34)と課税標準の特例(701条の41)は地方税法に根拠があり、全国共通です。複数の課税団体に事業所がある場合、非課税・特例は共通でも、減免は各自治体の条例を個別に確認する必要があります。

Q11. 消防用設備があれば、その分の床面積は非課税になりますか

一定の防火対象物に設置する消防用設備等・防災施設のうち、政令で定める部分の床面積は資産割が非課税です(701条の34第4項)。ただし、天井や壁に取り付けられている設備は床面積を占有しないため、非課税となる床面積は生じません。また一般的な事務所用家屋の消防設備は対象外です。床を占有する防災用の施設・区画かどうかが分かれ目です。

まとめ

この記事のポイント
  • 事業所税の負担軽減制度は非課税(701条の34)・課税標準の特例(701条の41)・減免(条例)の3つ
  • 効く段階が違う。非課税=課税対象外、特例=課税標準を控除、減免=税額を減額
  • 免税点判定では非課税は控除するが、特例・減免は控除しない(最重要・誤りやすい)
  • 申請の要否が違う。非課税・特例は申請不要(ただし申告書記載は必要)、減免は減免申請書が必須
  • 非課税は人的非課税(701条の34第1項・2項)と用途非課税(同3項)。列挙された用途以外は対象外
  • 特例の控除割合は施設により3/4・1/2・1/4等。倉庫業の営業倉庫は3/4、協同組合等やホテル旅館は1/2
  • 特例の重複は、1項各号どうしは不可、1項適用後に2項(心身障害者多数雇用)を順次適用
  • 収益事業と非収益事業の混在は法人税法施行令6条の区分経理で按分。判定は末日現況、廃止時は直前の事業
  • 減免の対象・割合・手続きは自治体の条例ごとに異なる

※本記事は2026年6月時点の法令・公表資料(地方税法701条の34・701条の41、法人税法2条6号・7号、法人税法施行令6条、東京都主税局「事業所税の手引」「非課税対象施設一覧表」「課税標準の特例対象施設一覧表」等)に基づく一般的な解説です。減免の対象・割合・手続きは自治体の条例により異なり、非課税・特例の細目も政令等で定められています。実際の適用にあたっては、所管の都税事務所・市役所等への確認と、必要に応じて顧問税理士へのご相談をおすすめします。

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